ご挨拶
一般社団法人 腹腔鏡・ロボット大腸切除研究会のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
大腸癌は、我が国で最も罹患数の多い癌腫の一つであり、その治療の中心を担う外科手術の安全性と質を高めることは、私たち外科医に課せられた重要な使命です。大腸癌手術に求められるのは、根治性を確保するだけではありません。安全性、低侵襲性、機能温存、整容性、そして患者さんの生活の質を含めた、総合的に質の高い治療を実現することが必要です。
1992年に我が国で初めて腹腔鏡大腸切除術が施行されて以降、腹腔鏡手術は大きく発展し、現在では大腸癌手術の中心的な術式となりました。本研究会は1998年の発足以来、手術手技講習会、セミナー、学術集会を通じて、安全な手術の普及と次世代外科医の育成に取り組むとともに、多施設共同研究によって、我が国から世界へ数多くのエビデンスを発信してまいりました。これまで本研究会を築き、発展させてこられた歴代代表理事の渡邊昌彦先生、坂井義治先生、内藤剛先生、そして前代表理事の竹政伊知朗先生をはじめ、これまで本研究会を支え、発展させてこられた役員ならびに会員の皆様のご尽力に対し、改めて深く敬意と感謝を申し上げます。
近年、ロボット手術は直腸癌に加えて結腸癌にも保険適用が拡大され、急速に普及しています。多関節機能、安定した三次元画像、精緻な操作性を備えたロボット手術は、低侵襲手術の可能性をさらに広げる一方、その安全な導入には、標準化された手術手技、体系的な教育、適切な指導体制、そして科学的な検証が不可欠です。こうした時代の変化を踏まえ、本研究会は「腹腔鏡下大腸切除研究会」から「腹腔鏡・ロボット大腸切除研究会」へと名称を変更し、新たな一歩を踏み出しました。これは、これまで培ってきた腹腔鏡手術の知識、技術、教育基盤を継承しながら、ロボット手術を含む大腸疾患に対する低侵襲手術全体のさらなる発展を目指す、私たちの決意を示すものです。
今後は、腹腔鏡手術とロボット手術の特性と利点を正しく理解し、患者さん一人ひとりに最適な手術を提供するための共通基盤を築いていくことが重要です。そのために、本研究会は手術手技の標準化、教育プログラムの充実、若手外科医の育成、技術伝承、多施設共同研究、国際的な情報発信を一層推進してまいります。
また、AI、デジタル手術支援、画像ナビゲーション、手術データ解析など、新たな技術が外科医療に急速に導入されつつあります。これらの技術を単に導入するのではなく、安全性と有用性を科学的に検証し、患者さんの利益につなげることも、本研究会が果たすべき重要な役割です。
本研究会が、世代、施設、地域を越えて外科医が学び合い、技術を高め合い、新たなエビデンスを創出する場であり続けるよう、会員の皆様と力を合わせて取り組んでまいります。そして、すべての患者さんに、安全で質の高い低侵襲大腸手術を届けることを目指してまいります。
今後とも、本研究会の活動に対しまして、皆様の温かいご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年7月
一般社団法人 腹腔鏡・ロボット大腸切除研究会
代表理事 渡邉 純

